第87話
その翌日。
僕は加持さんの畑に向かっていた。
一晩考えたんだけど、普通に何を言っても説得なんてできない気がするから。
ある程度僕の事をばらすのも仕方ないかもしれない。
まぁ、それでも上手くいくどうかなんてわからないけど。
当たって砕けてみようかっていう気分にはなってる。
加持さんは以前と同じ場所で静かに水を撒いてたんだけど。
「よう、シンジ君じゃないか。どうしたんだ、こんな所に?」
僕を見て少し驚いたようにそう言った。
「加持さんに話があって。」
「俺に?しかし、よくここに居るって分かったな。」
「ここの事は知ってましたから。」
「知って?・・・シンジ君にこの場所を言ってたかな?」
「いえ?」
「じゃあ・・・」
言いかけた加持さんを遮るように言葉を続ける。
ここから先が正念場なんだよな。
「でも、前にもここで加持さんに会った事がありますから。」
「どういうことだい?」
さすがに不思議そうな顔をしてる。
「あの時、加持さんは『アルバイトがばれたんで戦闘配置に居場所がなくなった』って言ってましたっけ。」
「・・・シンジ君?」
目付きが鋭くなってきたな。
「僕がここでこうしてるのははじめてじゃないんです。」
軽く肩をすくめて。
「二度目なんですよ。エヴァに乗るのも、使徒と戦うのも。」
「何が、言いたいんだ?」
「サードインパクトの時点から繰り返してるんです。タイムスリップって言うのかな、こういうのは?」
加持さんは無言で僕を見つめている。
「まぁ、すぐに信じてもらえるとも思いませんけど。」
というか、頭がおかしくなったんじゃないかって思われる可能性の方が高いよな。
「はっきり言って信じろっていう方が無理だ。」
だよねぇ。
「それに、だ。本当だとして、なんで俺にその話を?」
「加持さんに死んで欲しくないからです。」
「・・・ずいぶん物騒な話だな。」
そう言っておどけるように軽く笑ったけれど。
「ミサトさんが泣くんですよ。」
僕の言葉を聞いてすぐにその笑いを収めた。
「葛城が?」
「加持さんの留守電を何度も何度も聞いて・・・」
「どんな内容だい?」
「直接に聞いたわけでもないし、全部を覚えてもいませんけど・・・確か『無事に帰れたら八年前に言えなかった事を言う』とか何とか・・・」
「・・・なるほど。あながち思い込みって訳でもなさそうだな。」
「加持さん?」
「とりあえずシンジ君の話を全部聞かせてくれないか?判断するのはそれからだ。」
「わかりました、元からそのつもりでしたから・・・」
とはいえアスカと綾波に関してはぼかしとかないとな。
さすがに勝手にしゃべっていい事だとも思えないし。
ごまかしいれたせいでまとめるのに苦労したのと。
加持さんが何度か質問したせいで。
ひととおり話し終わったときには結構な時間がたっていた。
「ふむ、筋は通ってるが・・・」
加持さんはそう言ったきりしばらく黙り込んで。
「もう一度聞きたいな、この話を俺にした理由を。今までずっと秘密にしてた事なんだろう?」
「本当の事を話すより他に説得する方法なんて思い付きませんでしたから。」
「シンジ君が俺を直接説得する必要はないだろう?それこそ葛城にでも頼めばいい。」
それはそうかもしれないのだけれど。
正直な話ミサトさんをそこまで信じられないというか。
今一つ頼りにできないって印象がどうしてもぬぐえないんだよな。
あのギスギスしてた時期に何もしてくれなかったからかなぁ。
単なるわがままなのかもしれないけど。
それに。
「加持さんに頼みたい事もあるんです。」
これはミサトさんじゃ無理だろうから。
それに、全部話しておかないと頼みようもない。
「俺に?」
「ええ、僕はしょせんただの中学生ですからね。エヴァをとったら何もできないも同然です。」
相手が使徒ならそれでいいんだけど。
「使徒を全部倒した後のことは僕にはどうしようもないんですよ。」
本部が攻め込まれたりとか。
エヴァに乗ってれば撃退できるのかもしれないけど。
そんなのがいつまでも続けられるわけもない。
だからそうならないようにしたいんだけれど。
「ずいぶんと厄介な頼みごとだな。」
少しあきれたような口調。
「自分でもそう思います。でも、他に頼れる人も居ないから・・・」
「繰り返しになるが、何でそこまで俺を信用するんだ?」
まぁ、前の世界でもこっちでもお世話になってるって言うのが大きな理由ではあるけど。
「理屈じゃないんですよ、多分。加持さんなら信じられると思った、それだけです。」
それを聞いて、加持さんは苦笑いを浮かべた
「なるほどな・・・だが、しばらく考えさせてくれ、すぐに結論を出せる事じゃないからな。」
「そう、ですね。」
なんとか上手くいったんだろうか。
全然自信はないんだけれど。
僕は加持さんの畑に向かっていた。
一晩考えたんだけど、普通に何を言っても説得なんてできない気がするから。
ある程度僕の事をばらすのも仕方ないかもしれない。
まぁ、それでも上手くいくどうかなんてわからないけど。
当たって砕けてみようかっていう気分にはなってる。
加持さんは以前と同じ場所で静かに水を撒いてたんだけど。
「よう、シンジ君じゃないか。どうしたんだ、こんな所に?」
僕を見て少し驚いたようにそう言った。
「加持さんに話があって。」
「俺に?しかし、よくここに居るって分かったな。」
「ここの事は知ってましたから。」
「知って?・・・シンジ君にこの場所を言ってたかな?」
「いえ?」
「じゃあ・・・」
言いかけた加持さんを遮るように言葉を続ける。
ここから先が正念場なんだよな。
「でも、前にもここで加持さんに会った事がありますから。」
「どういうことだい?」
さすがに不思議そうな顔をしてる。
「あの時、加持さんは『アルバイトがばれたんで戦闘配置に居場所がなくなった』って言ってましたっけ。」
「・・・シンジ君?」
目付きが鋭くなってきたな。
「僕がここでこうしてるのははじめてじゃないんです。」
軽く肩をすくめて。
「二度目なんですよ。エヴァに乗るのも、使徒と戦うのも。」
「何が、言いたいんだ?」
「サードインパクトの時点から繰り返してるんです。タイムスリップって言うのかな、こういうのは?」
加持さんは無言で僕を見つめている。
「まぁ、すぐに信じてもらえるとも思いませんけど。」
というか、頭がおかしくなったんじゃないかって思われる可能性の方が高いよな。
「はっきり言って信じろっていう方が無理だ。」
だよねぇ。
「それに、だ。本当だとして、なんで俺にその話を?」
「加持さんに死んで欲しくないからです。」
「・・・ずいぶん物騒な話だな。」
そう言っておどけるように軽く笑ったけれど。
「ミサトさんが泣くんですよ。」
僕の言葉を聞いてすぐにその笑いを収めた。
「葛城が?」
「加持さんの留守電を何度も何度も聞いて・・・」
「どんな内容だい?」
「直接に聞いたわけでもないし、全部を覚えてもいませんけど・・・確か『無事に帰れたら八年前に言えなかった事を言う』とか何とか・・・」
「・・・なるほど。あながち思い込みって訳でもなさそうだな。」
「加持さん?」
「とりあえずシンジ君の話を全部聞かせてくれないか?判断するのはそれからだ。」
「わかりました、元からそのつもりでしたから・・・」
とはいえアスカと綾波に関してはぼかしとかないとな。
さすがに勝手にしゃべっていい事だとも思えないし。
ごまかしいれたせいでまとめるのに苦労したのと。
加持さんが何度か質問したせいで。
ひととおり話し終わったときには結構な時間がたっていた。
「ふむ、筋は通ってるが・・・」
加持さんはそう言ったきりしばらく黙り込んで。
「もう一度聞きたいな、この話を俺にした理由を。今までずっと秘密にしてた事なんだろう?」
「本当の事を話すより他に説得する方法なんて思い付きませんでしたから。」
「シンジ君が俺を直接説得する必要はないだろう?それこそ葛城にでも頼めばいい。」
それはそうかもしれないのだけれど。
正直な話ミサトさんをそこまで信じられないというか。
今一つ頼りにできないって印象がどうしてもぬぐえないんだよな。
あのギスギスしてた時期に何もしてくれなかったからかなぁ。
単なるわがままなのかもしれないけど。
それに。
「加持さんに頼みたい事もあるんです。」
これはミサトさんじゃ無理だろうから。
それに、全部話しておかないと頼みようもない。
「俺に?」
「ええ、僕はしょせんただの中学生ですからね。エヴァをとったら何もできないも同然です。」
相手が使徒ならそれでいいんだけど。
「使徒を全部倒した後のことは僕にはどうしようもないんですよ。」
本部が攻め込まれたりとか。
エヴァに乗ってれば撃退できるのかもしれないけど。
そんなのがいつまでも続けられるわけもない。
だからそうならないようにしたいんだけれど。
「ずいぶんと厄介な頼みごとだな。」
少しあきれたような口調。
「自分でもそう思います。でも、他に頼れる人も居ないから・・・」
「繰り返しになるが、何でそこまで俺を信用するんだ?」
まぁ、前の世界でもこっちでもお世話になってるって言うのが大きな理由ではあるけど。
「理屈じゃないんですよ、多分。加持さんなら信じられると思った、それだけです。」
それを聞いて、加持さんは苦笑いを浮かべた
「なるほどな・・・だが、しばらく考えさせてくれ、すぐに結論を出せる事じゃないからな。」
「そう、ですね。」
なんとか上手くいったんだろうか。
全然自信はないんだけれど。