第68話
アスカからトウジのことを教えてもらったわけなんだけれど。
結局それについてトウジと話したりはできなかった。
要するに何を言っていいか分からなかったんだよね。
話してどうなるものでもないなって気もしたし。
一方でアスカのほうもあれ以上この件には触れないつもりらしかった。
ただ、あの話の後からいつもなんか考え事をしてるみたいで、少し気にはなったんだけれど。
あれからはずっと綾波がそばに居たから、話す機会をちょっと見つけられなくて。
そうこうしているうちに何日かが過ぎて。
参号機の起動実験の日がやってきた。
まぁ、大体は記憶のとおりに事態が進行して。
松代で事故があったっていって招集かけられて。
使徒が絡んでるっていうんでエヴァに乗せられて。
空路で松代まで連れてかれた。
その間ろくな説明もなく。
父さんが指揮をとってるってだけ教えられて。
それで、松代に着いたら参号機が使徒だって言うんだから。
普通は混乱するよな、とか思うんだけれど。
そういう大事なことをきちんと教えてくれないっていうのは、ほんと相変わらずだよなって。
まぁ、そんなことよりも問題は。
やっぱり三機とも離れた場所に配置されちゃってるんだよな。
この状況だと協力してどうこうって無理そうだよなぁ・・・
電源の関係で仕方ないってことらしいけれど。
こんなとこで起動実験なんてするから・・・って何で松代で起動実験したんだ?
第三新東京市でやったほうが設備も整ってると思うのに。
もっとも、そうしてた場合、被害もすごいことになってたような気もするけれど。
かなりひどい爆発が起こったみたいだから。
本部が半壊状態になっててもおかしくなかったんだろうな。
そういう意味では不幸中の幸いって言ってもいいのかもしれないんだけれど。
でも、本当に偶然そうなったってだけなんだろうか。
なんか引っかかるんだよね。
そんなことを考えているうちにアスカが使徒と接触して。
さすがに前回みたいにあっさりやられたりはしなかったんだけど。
使徒のの左腕を切り落としたところで、逆にアンビリカルケーブルを切断されちゃって。
やむなく戦線離脱。
で、左腕をなくした使徒は、綾波と交戦。
零号機に侵食かけて。
結果、パージした零号機の左腕を奪い取って再生。
そのまま僕のところに来たわけで。
細かいところで違いはあるけれど、結局は前と同じか。
まぁ、アスカも綾波も一応は無事なんだから悪くもないけどさ。
アスカが倒してくれないかなぁとか期待してたのも事実で。
こうなったらやるしかないんだよな。
何とか自力で使徒を倒す。
もっともアスカが負けるくらいの相手に勝てるかどうかってのはまったく自信ないけどね。
模擬戦闘でアスカに勝ったためしないんだよなぁ。
プログナイフを抜いて。
下手に頭とかを攻撃するのはまずそうだし。
手足をねらって無力化するか・・・
とりあえずは左腕っ。
って切りかかったんだけれど。
記憶してた以上に動きが速い気がする。
あっさりとかわされた。
その体勢から腕が伸びてくる。
それを何とか防いで再度攻撃をかける。
・・・だめか。
速いだけじゃなくて、関節を無視した動きをするからとてもじゃないけど追いつけない。
すぐによけるだけで精一杯になって。
「ぐっ・・・」
使徒の両手が初号機の首をつかんで締め上げてくる。
シンクロして僕の首も。
息が、苦しい。
意識が遠のきかける。
くそっ、本気でやってもかなわない。
このままじゃ、父さんがダミーシステムを起動させちゃう。
これじゃあ前と同じじゃないか。
・・・けど、それがどうだっていうんだろう?
たとえここでうまくやったとしたって。
過去が消せるわけじゃない。
僕がトウジをたすけられなかったって言う記憶を消せるわけじゃない。
だったらこんな苦しい思いしてまで戦わなくたって。
そんな考えが頭をよぎる。
実際、思ってた。
この世界に何の意味があるんだろうって。
こうやってやり直して・・・いや、「やり直して」いるのかって。
一度したことは変えられない。
取り返しなんてつかない。
なら僕のやってることってなんなんだ?
今うまくやったとしても。
結局はただの自己満足に過ぎないんじゃないのか?
『シンジ、なぜ戦わん。』
そんな時に父さんからの通信。
冷静な声がひどく気にさわる。
「やって・・・る・・・・・・だろ・・・」
まともに声が出ない。
『パイロットの生命維持に問題発生!』
『・・・パイロットと初号機のシンクロを全面カット。』
それを聞いて。
僕は、仕方ないな、って思ってしまって。
そして。
プラグの中が紅く染まり。
初号機が背筋の凍るような叫びをあげた。
結局それについてトウジと話したりはできなかった。
要するに何を言っていいか分からなかったんだよね。
話してどうなるものでもないなって気もしたし。
一方でアスカのほうもあれ以上この件には触れないつもりらしかった。
ただ、あの話の後からいつもなんか考え事をしてるみたいで、少し気にはなったんだけれど。
あれからはずっと綾波がそばに居たから、話す機会をちょっと見つけられなくて。
そうこうしているうちに何日かが過ぎて。
参号機の起動実験の日がやってきた。
まぁ、大体は記憶のとおりに事態が進行して。
松代で事故があったっていって招集かけられて。
使徒が絡んでるっていうんでエヴァに乗せられて。
空路で松代まで連れてかれた。
その間ろくな説明もなく。
父さんが指揮をとってるってだけ教えられて。
それで、松代に着いたら参号機が使徒だって言うんだから。
普通は混乱するよな、とか思うんだけれど。
そういう大事なことをきちんと教えてくれないっていうのは、ほんと相変わらずだよなって。
まぁ、そんなことよりも問題は。
やっぱり三機とも離れた場所に配置されちゃってるんだよな。
この状況だと協力してどうこうって無理そうだよなぁ・・・
電源の関係で仕方ないってことらしいけれど。
こんなとこで起動実験なんてするから・・・って何で松代で起動実験したんだ?
第三新東京市でやったほうが設備も整ってると思うのに。
もっとも、そうしてた場合、被害もすごいことになってたような気もするけれど。
かなりひどい爆発が起こったみたいだから。
本部が半壊状態になっててもおかしくなかったんだろうな。
そういう意味では不幸中の幸いって言ってもいいのかもしれないんだけれど。
でも、本当に偶然そうなったってだけなんだろうか。
なんか引っかかるんだよね。
そんなことを考えているうちにアスカが使徒と接触して。
さすがに前回みたいにあっさりやられたりはしなかったんだけど。
使徒のの左腕を切り落としたところで、逆にアンビリカルケーブルを切断されちゃって。
やむなく戦線離脱。
で、左腕をなくした使徒は、綾波と交戦。
零号機に侵食かけて。
結果、パージした零号機の左腕を奪い取って再生。
そのまま僕のところに来たわけで。
細かいところで違いはあるけれど、結局は前と同じか。
まぁ、アスカも綾波も一応は無事なんだから悪くもないけどさ。
アスカが倒してくれないかなぁとか期待してたのも事実で。
こうなったらやるしかないんだよな。
何とか自力で使徒を倒す。
もっともアスカが負けるくらいの相手に勝てるかどうかってのはまったく自信ないけどね。
模擬戦闘でアスカに勝ったためしないんだよなぁ。
プログナイフを抜いて。
下手に頭とかを攻撃するのはまずそうだし。
手足をねらって無力化するか・・・
とりあえずは左腕っ。
って切りかかったんだけれど。
記憶してた以上に動きが速い気がする。
あっさりとかわされた。
その体勢から腕が伸びてくる。
それを何とか防いで再度攻撃をかける。
・・・だめか。
速いだけじゃなくて、関節を無視した動きをするからとてもじゃないけど追いつけない。
すぐによけるだけで精一杯になって。
「ぐっ・・・」
使徒の両手が初号機の首をつかんで締め上げてくる。
シンクロして僕の首も。
息が、苦しい。
意識が遠のきかける。
くそっ、本気でやってもかなわない。
このままじゃ、父さんがダミーシステムを起動させちゃう。
これじゃあ前と同じじゃないか。
・・・けど、それがどうだっていうんだろう?
たとえここでうまくやったとしたって。
過去が消せるわけじゃない。
僕がトウジをたすけられなかったって言う記憶を消せるわけじゃない。
だったらこんな苦しい思いしてまで戦わなくたって。
そんな考えが頭をよぎる。
実際、思ってた。
この世界に何の意味があるんだろうって。
こうやってやり直して・・・いや、「やり直して」いるのかって。
一度したことは変えられない。
取り返しなんてつかない。
なら僕のやってることってなんなんだ?
今うまくやったとしても。
結局はただの自己満足に過ぎないんじゃないのか?
『シンジ、なぜ戦わん。』
そんな時に父さんからの通信。
冷静な声がひどく気にさわる。
「やって・・・る・・・・・・だろ・・・」
まともに声が出ない。
『パイロットの生命維持に問題発生!』
『・・・パイロットと初号機のシンクロを全面カット。』
それを聞いて。
僕は、仕方ないな、って思ってしまって。
そして。
プラグの中が紅く染まり。
初号機が背筋の凍るような叫びをあげた。