スポンサードリンク

第31話

 それからというもの。

 綾波の態度がなんとなくよそよそしくなって。

 話しかけても上の空だったり。

 前以上に本に没頭していたりして。

 だけど、それは嫌われたとか、そういったものじゃない気がして。

 実際、学校の行き帰りとかは一緒だし。

 いつものようにそばにいてはくれるんだけれど。

 だけどなんか距離を感じるというか。

 その理由もわからないからどうしようもないし。

 そんな、少し気まずい日々を過ごしていたんだけれど。



 ある日のこと。

 いつものように僕達はネルフに向かっていた。

 結局、綾波と別々に行動するってことは僕には出来そうになくて。

 こうしているんだけれど。

 でも最近はほとんど話も出来てない。

 でお互いに黙々と歩いていたら、ゲートのところにアスカがいて。

 少しいらいらした感じで腕を組んでた。

 僕達に気付くと。

「ここ、開かないわよ。」

 ってつまらなさそうに言った。

 ・・・ゲートが開かないって。

 しまった。

 もう次の使徒が来る日だったのか。

 いくら綾波とかアスカのことでごたついたとはいえ・・・

 うっかりしてたなぁ。

 とか考えてたら。

「どうしたのよ?」

 って不審そうな目でアスカが見てきた。

 たしかに驚きもしないで考え込んでたらあやしいよな。

「いや・・・なにがあったんだろうって・・・」

 なにかの理由で停電が起こったんだとは聞いたけど。

 そういえばその「なにか」がなんなのかは教えてもらえなかったな・・・

「そんなの今考えたって仕方ないわよ。ともかく本部に向かわないとね。」

 それからさっと身を翻して。

「ほら、こっちよ。さっさとついてきなさい。」

 と、僕らの方も見ずに言って。

 すたすたと歩き出してしまった。

 あわてて追いかけようと思ったんだけれど。

 前のときはアスカは道を間違えつづけてたし。

 ついてっていいのかなって綾波のほうに問い掛けるような視線を向けたら。

「・・・行きましょ。」

 っていうお返事で。

 なら間違った方には向かってないのかなぁ・・・



 今回のアスカの道案内はずいぶんと確かなもので。

 綾波も僕もなにも言わずにしたがっていたんだけれど。

 この三人で黙々とただ歩きつづけるっていうのはずいぶんと居心地が悪かった。

 それで。

「惣流さんはなんであそこにいたの?」

 さっきから少し疑問に思っていたことを聞いてみることにした。

 無視されるかと思ったんだけれど。

「ん?アンタたちを待ってたのよ。」

 案外あっさり答えが返ってきて。

 でもその内容が意外で。

「僕達を?」

「そうよ。アタシ一人だけ先に行ってアンタたちがあそこでぼーっとしてるとかじゃバカみたいでしょ?」

 まぁ、それはたしかに。

「だったらアタシが連れていってやった方がいいかなって、そういうことよ。」

 筋は通ってるんだけど。

 なんかそれだけじゃないような気もするんだよな。

 考え過ぎかなぁ?



 しばらくすると、使徒が来るっていう日向さんの声がして。

「急いだ方がいいんじゃないかな。」

 って言ってみたら。

「下手に急いでケガでもしたら意味ないわ。」

 って返されて。

 相変わらずだよなって。

 にしても。

 きちんと返事してくれるな。

 それはそれで嬉しいことではあるんだけれど。

 今だけだろうな、とも思える。

 けど、こんな状況のわりにはずいぶんと落ち着いてるよな。

 綾波は当然としても。

 ・・・って、そういえば綾波はどうしてるんだろう?

 アレから一言もしゃベってないんだけど・・・

 ちらっと様子を見ると。

 こころもち急ぎ足になってる気がして。

 それで眼のあたりが少しけわしくなってる感じがする。

 使徒の事を聞いて少しあせってるんだろうか。

 なんか綾波らしくない気もするけど・・・

スポンサードリンク

1 2 3 4 5 6 7 8 9 10 11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30 31 32 33 34 35 36 37 38 39 40 41 42 43 44 45 46 47 48 49 50 51 52 53 54 55 56 57 58 59 60 61 62 63 64 65 66 67 68 69 70 71 72 73 74 75 76 77 78 79 80 81 82 83 84 85 86 87 88 89 90 91 92 93 94 95 96 97 98 99 100 101 102 103 104 105 106 107 108 109 110 111 112 113 114 115 116 117 118 

スポンサードリンク

Linkフリー

エヴァンゲリオンのファンフィクション小説−Kaworu My Love−
エヴァって何?という人は初めてのエヴァンゲリオン
エヴァンゲリオンのファンフィクション小説−The Dance of the Changer and the Three−