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第22話

 それから数日。

 学校とか訓練とかで何事もなく日は過ぎていって。

 その間、機会を見つけてアスカと話をしてみようと思ったんだけど。

 その機会がどうも来なかった。

 さすがに顔を合わせることは何度もあったんだけど。

 でも必ずほかに誰かがそばにいて。

 そういうところだと当たり前の、たいして意味もないような話しかできなくて。

 その限りではアスカもそれなりに話に乗ってくれてるんだけど。

 それはあたりさわりのない話だからって感じで。

 たとえば体調がどうとか、学校はどうとか。

 そんな感じの内容のない話。

 それで何が変わるわけもなくて。

 その上、アスカは僕と話してるって感じでもなかったんだよね。

 その場にいるほかの人と話してて、それに僕が混ざってるようで。

 アスカが僕に直接話を振ることもなかったし。

 だから。

 僕としてはアスカと二人っきりで話してみたかった。

 正直、何を話していいかも分からないまけど。

 アスカの前でなにも言えなくなってしまうかもしれないけど。

 それでも会って話してみたい。

 自分でも不思議だった。

 こんな気持ちになるなんて思わなかったし。

 実際、最初のうちは苦手意識ばかりだった。

 でも時間がたってくうちに。

 何度かアスカと顔を合わせてるうちに。

 奇妙な懐かしさを感じて。

 いや、妙なことじゃないかもしれない。

 最後がどうあれ、アスカと僕はしょっちゅう一緒にいた。

 お互いに幸せだったとか楽しかったとか思うつもりもないけれど。

 アスカにとってはいつもいらいらするだけだったのかもしれないけど。

 それでも一緒にいたことに変わりはなくて。

 結局、僕にとってはそれも大切な思い出になってしまってたんだって事。

 だから話がしたかった。

 今は綾波がいてくれているのにとか。

 所詮はなくしてしまったものを懐かしんでるだけかもしれないとか。

 そんな風にも思えたけど。



 とはいえ。

 機会がないことにはどうしようもなくて。

 それで、いろいろと考えて。

 必ずっていっていいほど誰かがアスカを取り巻いている学校では無理だから。

 ネルフの中で何とかしようと思ったんだけど。

 不思議とアスカと二人でいるようなことがなくて。

 訓練の後で待ったりとかもしてみたんだけど。

 それでも無理で。

 なんか避けられてるんじゃないかって気さえして。

 いいかげんあきらめかけてた頃。

 本当に偶然に。

 エレベータの中で二人きりになれて。

 だけど、やっぱり何を言っていいかわからなくて。

 しばらくは二人とも黙っていた。

 でもこれを逃したらもう機会はないかもしれなかったんで。

「惣流さん。」

 って、とりあえず話しかけてみることにした。

 そうしたら。

「な、なによ?」

 妙に動揺してる感じで。

 なんとなく視線をそらそうとしてるし。

「いや、なんか惣流さんに避けられてるみたいだから。気に障ることでもしたのかって聞きたくて。」

 そう言うと。

 アスカは黙り込んでしまって。

 しばらくたってようやく。

「アンタが・・・アンタが何かしたわけじゃないんだけど。」

 って少しつらそうにつぶやいた。

 その口調も。

 その言葉の意味も。

 僕にはわからなくて。

 ただぼーっとアスカの顔を見てた。

「けど。」

「・・・?」

「アンタには悪いと思うけど。エヴァのパイロットとしてならともかく、それ以外でアンタと話したいとは思えないから。」

 アスカは顔をそらしながらそう言いきって。

 それと同時にドアが開いて。

 アスカはそのまま出て行ってしまった。

 僕は。

 やっぱりなにも分からないままで。

 でもひどく胸が痛くて。

 悲しかった。

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