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第13話

 さてと、綾波を探さないと。

 これから一緒に住んでもいいか聞かなきゃ。

 って、我ながらすごいこと頼もうとしてるよな。

 常識で考えたら絶対しないような事なのに。

 いや、僕だって綾波の所に一度泊めてもらってるからこんなこと考えてるわけで。

 多分簡単に了解してくれるだろうって予想もあって。

 そうじゃなったら絶対しないよな、こんなこと。

 けど。

 もし断られたらどうしようかな。

 ま、その時は一人暮しでもするか。

 別にそれで困ることもないんだし。

 それもこれも綾波に聞いてからだな。

 とはいえ。

 ネルフの中を当てもなくぶらついても会えるわけないし。

 綾波の部屋の前で待たせてもらうほうが楽かなって思って。

 取りあえずネルフを出ようと思ったら。

 入り口近くのベンチに綾波が座ってて。

 本を読んでたみたいなんだけど、僕に気付いたらしく、軽く顔を上げて視線を僕のほうに向けた。

 にしても、どうしてこんな所にいるんだろう?

 まさか僕を待っててくれたわけなんてない・・・・・・とは言えないよな。

 今の綾波見てると、それもありそうな気さえしてくる。

 まぁでも、そんなことより同居のことだよな。

「綾波、話があるんだけど・・・」

「・・・なに?」

 こういうそっけないところは相変わらずなんだよな。

「話っていうか頼みごとなんだけどさ。」

「・・・・・・」

 うぅ、無言で見つめないで欲しいよなぁ。

 何か相づちのひとつも打ってくれれば話しやすいのに。

 まあ仕方ない。

「今度ミサトさんの家を出ることになってさ。」

「・・・?」

 あれ、なんか意外そうな顔してる。

 かすかにだったけど。

 なんでだろ?

 昨日とかの話の流れからすればそれほど変な話しでもないはずだけど。

 いや、いきなりと言えばいきなりなんだけど。

 でも綾波がそこらへんの事を意外に思うっていうのもなにか違う気もするし。

「・・・それで?」

 おっとそうだった。

「それで・・・その・・・・」

「・・・・・・」

 さすがにいざとなると言いにくいな・・・

 綾波がじーっと僕のほうを見てるっていうのも結構落ちつかなくなる原因の一つで。

「次に住むところっていうのが決まってなくて・・・」

「・・・」

「どうしたらいいかなぁって・・・こんなこと綾波に聞いても仕方な・・・」

 結局言い出せそうにない自分が。

 少し情けなくも思えてたんだけど。

「なら、わたしのところに来ればいい。」

「・・・え?」

 あっさりと綾波がそう言って。

 正直、そう言ってもらえるとたすかるんだけれど。

「でも、迷惑じゃ・・・?」

「かまわないわ。」

 相変わらずの口調で。

 だから綾波が本当はどう思ってるかってのは分からなかったんだけれど。

 迷惑に思うくらいなら自分からこんなこと言い出さないよなって気もするし。

 結局は綾波の申し出にありがたく乗ることにしたんだけどさ。



 それで。

 一度学校によって荷物を取ってきてから綾波のうちに向かって。

 その途中で、食べ損なったお弁当を食べたりもした。

 中身はおにぎりで。

 まぁ、形はそれなりにいびつだったりもしたんだけれど。

 でも結構おいしくて。

 で、綾波にそう言ったらまた照れてた。

 なんか妙な所で表情が豊かになるんだよなぁ・・・

 とかそんなことを思いながら、昨日のように買い物をしたりして。

 それから綾波の部屋に行って。

 二人で夕ご飯を作ったりしつつ。

 綾波の部屋で暮らすんだし、これから適当に揃えなきゃなぁとか考えて。

 ちょっと部屋を見渡してみて。

 それでふと思ったのは。

 この部屋に父さんの眼鏡が置いてないって事だった。

 どこかにしまってあるのかとも思ったけど。

 前のことから考えるとそれも変な感じで。

 どうしたんだろうって思ったり、した。

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