第11話
なんか、なし崩し的にトウジ達と仲良くなってしまって。
そういうのは避けようとしてたはずなんだけどな。
でも我ながら不思議なんだけど。
それはそれでいいやと思ってる自分もいる。
他愛もない事を言ってふざけ合う。
そんなことに僕は結構飢えていたのかもしれない。
トウジ達となら・・・・・・
違う。
違うよ。
トウジは、僕のせいであんなことになったんじゃないか。
そんなことも忘れて。
ずいぶん虫のいい話だよな。
本当に。
僕は、一体どれだけ取り返しのつかないことをしてきたんだろう。
トウジのことも。
カヲル君のことも。
アスカのことも。
そして、綾波のことも。
いや、正確に言えば何もできなかったんだ。
そうやってみんなを傷つけて。
それはひどくつらいことだったはずなのに。
なのに、僕はそれを繰り返そうとしてる。
僕の知らないことが起こるのがいやだって。
そんな、どうしようもなく臆病な理由で。
馬鹿だよな。
ホントに馬鹿だ。
アスカが僕のことを「バカシンジ」って呼びつづけたのも当然かもな。
屋上でそんなことを考えていたら。
校内放送で僕に呼び出しがかかって。
それで、素直に校長室に行こうとしたら。
やっぱりっていうか、入り口の所に綾波が立ってて。
なんとなく、トウジとのやり取りも見てたんじゃないかなって気がした。
でも不快感は感じなくて。
それで並んで校長室に入って。
そうしたら思った通り黒服にサングラスの人達がいてさ。
保安条項がどーこうで本部まで連行するとか言ってたけど。
笑っちゃうよね?
僕はずっと綾波の所にいたんだし。
今だってこうして学校に来てる。
なんでわざわざっていうのもあるし。
それに今更っていうのもある。
もっと早く見つけられてただろうにって。
わざとなのかな?
たしかアスカが家出したときも見つけるまでにずいぶんかかってた気がしたし。
ま、だからってどうでも良いことなんだけどさ。
それで。
そのままネルフまで連れていかれて。
当然のように綾波も一緒に来たんだけれど。
僕一人って事でとある部屋に通されて。
しばらくしてミサトさんが入ってきた。
「気はすんだ?」
静かな問いかけ。
だけど。
だからこそ分かってしまった。
ミサトさんが本気で怒ってるって事に。
でも、答えようがないんだよな。
家出したことなんて僕にとってはどうでもいいんだから。
確かに、前の僕にとっては意味のあることだった。
でも今回は単に前をなぞっただけ。
綾波と関わっちゃたせいでなんかおかしな事になったけどさ。
何かがしたかったわけじゃない。
だから気がすむもなにもないんだ。
しばらくお互いに口をきかずにいて。
やがてミサトさんがゆっくりと口を開いた。
「ひとつだけ聞くわ。あなたはこれから先、エヴァのパイロットとしてやっていく気があるの?」
ああ。
そういうことか。
ミサトさんは僕がそれから逃げたと思ってるのか。
まあ、そう考えても無理はないんだけどさ。
けどね。
「エヴァには乗りますよ?」
僕は当然のように答えた。
僕にはそれしかないんだし。
それで、使徒を倒す。
その先に何があったって。
ほかのやり方を選んで上手く立ちまわれるような。
そんなに器用な人間じゃないんだ、僕は。
「じゃあ、なんで家出なんかしたのよ?」
さすがに意外だったんだろうな。
今までの仮面みたいな表情が崩れてる。
しかし・・・・家出の理由かぁ。
まさかホントのことは言えないし。
適当な理由をこじつけて置くか。
それでミサトさんの家に戻って。
この件は終わりにできる。
でも。
やっぱり引っかかるんだよな。
綾波のことが。
またあの部屋に一人になってしまう綾波が。
綾波にとってはなんでもないことなのかもしれないけど。
前の綾波を重ねてるだけかもしれないって。
そうも思えるけど。
なぜか放って置けない気になる。
しかし、落ちついて考えれば馬鹿なことをしようとしてるんだよな、僕は。
こういったことを一番避けようとしてたのに。
仕方ないよな。
僕は軽く笑ってから口を開いた。
少しだけ未来を変えるために。
そういうのは避けようとしてたはずなんだけどな。
でも我ながら不思議なんだけど。
それはそれでいいやと思ってる自分もいる。
他愛もない事を言ってふざけ合う。
そんなことに僕は結構飢えていたのかもしれない。
トウジ達となら・・・・・・
違う。
違うよ。
トウジは、僕のせいであんなことになったんじゃないか。
そんなことも忘れて。
ずいぶん虫のいい話だよな。
本当に。
僕は、一体どれだけ取り返しのつかないことをしてきたんだろう。
トウジのことも。
カヲル君のことも。
アスカのことも。
そして、綾波のことも。
いや、正確に言えば何もできなかったんだ。
そうやってみんなを傷つけて。
それはひどくつらいことだったはずなのに。
なのに、僕はそれを繰り返そうとしてる。
僕の知らないことが起こるのがいやだって。
そんな、どうしようもなく臆病な理由で。
馬鹿だよな。
ホントに馬鹿だ。
アスカが僕のことを「バカシンジ」って呼びつづけたのも当然かもな。
屋上でそんなことを考えていたら。
校内放送で僕に呼び出しがかかって。
それで、素直に校長室に行こうとしたら。
やっぱりっていうか、入り口の所に綾波が立ってて。
なんとなく、トウジとのやり取りも見てたんじゃないかなって気がした。
でも不快感は感じなくて。
それで並んで校長室に入って。
そうしたら思った通り黒服にサングラスの人達がいてさ。
保安条項がどーこうで本部まで連行するとか言ってたけど。
笑っちゃうよね?
僕はずっと綾波の所にいたんだし。
今だってこうして学校に来てる。
なんでわざわざっていうのもあるし。
それに今更っていうのもある。
もっと早く見つけられてただろうにって。
わざとなのかな?
たしかアスカが家出したときも見つけるまでにずいぶんかかってた気がしたし。
ま、だからってどうでも良いことなんだけどさ。
それで。
そのままネルフまで連れていかれて。
当然のように綾波も一緒に来たんだけれど。
僕一人って事でとある部屋に通されて。
しばらくしてミサトさんが入ってきた。
「気はすんだ?」
静かな問いかけ。
だけど。
だからこそ分かってしまった。
ミサトさんが本気で怒ってるって事に。
でも、答えようがないんだよな。
家出したことなんて僕にとってはどうでもいいんだから。
確かに、前の僕にとっては意味のあることだった。
でも今回は単に前をなぞっただけ。
綾波と関わっちゃたせいでなんかおかしな事になったけどさ。
何かがしたかったわけじゃない。
だから気がすむもなにもないんだ。
しばらくお互いに口をきかずにいて。
やがてミサトさんがゆっくりと口を開いた。
「ひとつだけ聞くわ。あなたはこれから先、エヴァのパイロットとしてやっていく気があるの?」
ああ。
そういうことか。
ミサトさんは僕がそれから逃げたと思ってるのか。
まあ、そう考えても無理はないんだけどさ。
けどね。
「エヴァには乗りますよ?」
僕は当然のように答えた。
僕にはそれしかないんだし。
それで、使徒を倒す。
その先に何があったって。
ほかのやり方を選んで上手く立ちまわれるような。
そんなに器用な人間じゃないんだ、僕は。
「じゃあ、なんで家出なんかしたのよ?」
さすがに意外だったんだろうな。
今までの仮面みたいな表情が崩れてる。
しかし・・・・家出の理由かぁ。
まさかホントのことは言えないし。
適当な理由をこじつけて置くか。
それでミサトさんの家に戻って。
この件は終わりにできる。
でも。
やっぱり引っかかるんだよな。
綾波のことが。
またあの部屋に一人になってしまう綾波が。
綾波にとってはなんでもないことなのかもしれないけど。
前の綾波を重ねてるだけかもしれないって。
そうも思えるけど。
なぜか放って置けない気になる。
しかし、落ちついて考えれば馬鹿なことをしようとしてるんだよな、僕は。
こういったことを一番避けようとしてたのに。
仕方ないよな。
僕は軽く笑ってから口を開いた。
少しだけ未来を変えるために。